2012/07/02

天の川

天の川 相向き立ちて 吾()が恋ひし 君来ますなり 紐解き設(ま)けな 
(山上憶良)






















梅雨の晴れ間を心待つのは、牽牛や織姫ならずともですね。
万葉集には天の川の歌が130首余り残されています。

恋しい人が来る川に向かい、そのまみえる時を想って
身を焦がしながら、衣を解いて待っている・・・・・

なんというおおらかで素直な愛情表現でしょう。

牽牛と織姫・・この天上の恋人たちの逢瀬を、現実の庶民のものとして詠った憶良は
社会派歌人として貧しい人たちに情を注ぎ、苦しい生活や家族の情愛を詠みました。

率直に想いを言葉にした古(いにしえ)の万葉人の姿は、わたしたちに
気持ちを伝えることの原点を示してくれている気がします。