2015/06/20

沙羅の木の花


沙羅双樹しろき花ちる夕風に人の子おもふ凡下(ぼんげ)のこゝろ(与謝野晶子)


沙羅の木(ナツツバキ)


家の軒先
生け垣の向こう
社の境内・・・・

あちらこちらで
沙羅の木が
花を咲かせています。

この花が咲くと、
ああ、
今年もまた
夏が来るなあと思います。







和名「夏椿」と呼ばれる白い花は、一日で散ってしまう儚さから
「沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらわす(平家物語)」と表されました。

いつのころからか
薄く透き通るような白い花弁をそのままに、
まるで、ただそこに置かれたように散るこの花の有り様に
強くこころ惹かれるようになりました。

朝に咲いた花が、夕には落ちるのは儚くもありますが、
また早朝には新たなつぼみが咲き開いてきます。

それは新しい1日の始まり、
今日を生きることへの溢れる喜びを歌っているようにも見えるのです。

 一期一会、今日という日を沙羅の花のように生きていけたらなと思います。